説明
1913年に作曲されたサティの風刺的な小品集「あらゆる意味にでっちあげられた数章」(Chapitres tournés en tous sens)の第1曲で、「おしゃべりな女」と題されています。この時期のサティは、楽譜に奇妙な文章や演奏指示を書き込んだユーモラスな小品集を次々に発表しており、本作もその一つです。
ハ長調の8分の6拍子。わずか44秒という短い演奏時間の中に、絶えずしゃべり続ける人物像をおどけた音型で描き出す、サティ特有のユーモアが凝縮されています。447音ほどと、時間に対して音の密度は高めで、せわしなく動き続ける音型が「おしゃべり」そのものを表しています。奇抜な和声進行とユニークな演奏指示がちりばめられ、聴くたびに発見があります。
中級レベルで、音域はそのままでは61鍵の鍵盤で低音が足りませんが、オクターブをずらせば61鍵でも全音を弾けます。細かい音型を軽く保ち、止まらずに動き続ける感覚が課題です。曲が短いのでA-Bループで全体を繰り返し、再生速度を落として音型の形を確かめてから、本来のテンポに近づけていくと、せわしない語り口を自然に表現できます。
サティが1913年に作曲した3曲からなるピアノ組曲。ユーモラスな曲想が持ち味のサティらしい、飄々とした味わいの作品
「章見出しの形式による描写」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
エリック・サティ (1866-1925)
フランス・オンフルール出身の作曲家で、モンマルトルのキャバレーで活動しながら独自の音楽美学を追求した異色の存在です。過剰な感情表現を排したシンプルな音楽やユーモラスな作品タイトルで知られ、後のミニマル・ミュージックやアンビエント音楽にも影響を与えました。本サービスでは、「ジムノペディ」「グノシエンヌ」の各曲や「やせっぽちのダンス」などを収録しています。
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