説明
1903年に書かれた一曲で、Op.23 の中では第4曲と並ぶ穏やかな性格を持ちます。前後を速い曲に挟まれ、曲集を通して聴くとき、緊張がほどける数少ない場所のひとつとして働きます。
変ホ長調の4拍子、アンダンテ。左手の伴奏音型が舟歌のように揺れ続け、その上で右手が息の長い旋律を歌います。旋律は装飾を交えながら次第に音域を広げ、中間では和声が半音階的に動いて陰りを帯びますが、最後は冒頭の穏やかさに戻って閉じられます。
上級レベル。技術的な難所は少ないものの、揺れる伴奏の上で旋律のテンポを保つことは見た目ほど易しくありません。伴奏に旋律が引きずられると、歌が波に呑まれます。左手の音型を一定に保ちながら、右手だけがわずかに自由に動ける状態を作ることが、この曲の演奏上の核心です。
特定の曲集に属さない前奏曲を集めたカテゴリ。バッハから近現代まで、様々な作曲家による短く印象的な作品が並ぶ
「前奏曲」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
セルゲイ・ラフマニノフ (1873-1943)
ロシアに生まれ、ロシア革命後は欧米に移住して活動した後期ロマン派を代表する作曲家兼ピアニストです。豊麗な旋律と重厚な和声、ロシア的な鐘の響きを思わせる音響が特徴で、ピアノ協奏曲第2番などが広く知られています。数多くの「前奏曲」も名品として親しまれています。本サービスにはOp.23の前奏曲から9曲と、出世作となったOp.3-2「鐘」を収録しています。
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