説明
10曲からなる前奏曲集 Op.23 は1901年から1903年にかけて書かれました。1897年の交響曲第1番の初演失敗で作曲から離れていたラフマニノフが、治療を経てピアノ協奏曲第2番とともに立ち直っていく時期の作品にあたります。従兄で師でもあったアレクサンドル・ジロティに献呈されました。
嬰ヘ短調の4拍子、ラルゴ。曲集はこの重く沈んだ一曲から始まります。左手の分散和音が低音域で揺れ続け、その上を短い旋律の断片が漂います。音量は抑えられたまま、和声だけがゆっくりと色を変えていき、盛り上がりは訪れないまま曲は閉じられます。
上級レベル。速い音はほとんどありませんが、左手の分散和音を伴奏として均一に保ちながら、右手の旋律を沈ませないバランスが要求されます。ペダルは和声が変わるたびに踏み替えること。低音域が厚いこの曲では、わずかな踏み残しが響きを濁らせます。
特定の曲集に属さない前奏曲を集めたカテゴリ。バッハから近現代まで、様々な作曲家による短く印象的な作品が並ぶ
「前奏曲」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
セルゲイ・ラフマニノフ (1873-1943)
ロシアに生まれ、ロシア革命後は欧米に移住して活動した後期ロマン派を代表する作曲家兼ピアニストです。豊麗な旋律と重厚な和声、ロシア的な鐘の響きを思わせる音響が特徴で、ピアノ協奏曲第2番などが広く知られています。数多くの「前奏曲」も名品として親しまれています。本サービスにはOp.23の前奏曲から9曲と、出世作となったOp.3-2「鐘」を収録しています。
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