説明
10曲からなる前奏曲集 作品23の第5曲で、曲集の中でもっとも知られた一曲です。作品3の第2番で早くに名を上げたラフマニノフは、その後の作品23、作品32と合わせて、全24の調を巡る前奏曲群を完成させました。この曲はその中核をなす作品のひとつです。
ト短調。「行進曲のテンポで」と指示され、跳ねるリズムの上に力強い和音が打ち込まれていきます。中間部では一転して、分散和音の伴奏に乗る甘い旋律が広がり、音楽は完全に別の場所へ移ります。やがて行進のリズムが戻り、最後は冒頭の動機が静かに消えていきます。4分ほどの中に3800を超える音があります。
上級とされるのは、和音の連打とオクターブを保つ体力によります。行進の部分では音量を上げたくなりますが、叩くと音が硬くなり、鋭さが失われます。腕の重みで鳴らし、リズムの切れ味を優先すること。中間部では音色を完全に切り替え、同じ曲とは思えないほどの対比を作るのが効果的です。
特定の曲集に属さない前奏曲を集めたカテゴリ。バッハから近現代まで、様々な作曲家による短く印象的な作品が並ぶ
「前奏曲」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
セルゲイ・ラフマニノフ (1873-1943)
ロシアに生まれ、ロシア革命後は欧米に移住して活動した後期ロマン派を代表する作曲家兼ピアニストです。豊麗な旋律と重厚な和声、ロシア的な鐘の響きを思わせる音響が特徴で、ピアノ協奏曲第2番などが広く知られています。数多くの「前奏曲」も名品として親しまれています。本サービスにはOp.23の前奏曲から9曲と、出世作となったOp.3-2「鐘」を収録しています。
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