説明
「ベルガマスク組曲」の第3曲です。組曲は1890年頃に着想され、出版は15年後の1905年、改訂を経てのことでした。題はヴェルレーヌの詩「月の光」に由来し、組曲名の「ベルガマスク」も同じ詩人の一句から取られています。ドビュッシーの全作品の中で、もっとも広く知られた一曲です。
変ニ長調、8分の9拍子。冒頭は3度の重音による穏やかな旋律で始まり、中間部では分散和音が波のように広がり、やがて静けさへ戻ります。5分を超える長さに対して音は1500ほどで、音の少なさと響きの持続がこの曲の性格を作っています。
中級とされますが、譜面の易しさと演奏の難しさが大きく離れた曲です。課題はペダルと音量の制御にあります。響きを重ねたいが濁らせたくない、弱音のまま旋律を客席へ届けたい——その両立がすべてです。テンポを揺らす場所を決め、ペダルは耳で踏み替えること。強く弾いた瞬間に、この曲の世界は壊れます。
特定の曲集に属さない単独のピアノ小品を集めたカテゴリ。多彩な性格を持つ作品が391曲並び、気軽に聴き比べられる
「ピアノ小品」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
このコースのゴール、「ベルガマスク組曲」の第3曲「月の光」。変ニ長調、9/8拍子で、3度で重なる静かな旋律から始まり、中間部では分散和音が波のように広がって、また静けさに戻ります。ここまでの響きとペダルの扱いの総仕上げです。
練習のポイント
- 冒頭の3度の旋律は、上の音をわずかに浮かせて。0.5倍速で、二つの音が同時に鳴っているかを確かめます。
- 中間部の分散和音はA-Bループで区切り、片手ずつ仕上げてから合わせます。
- 強く弾いた瞬間に、曲の世界が崩れてしまいます。いちばん盛り上がるところでも、音を押しつけずに響かせましょう。
作曲家について
クロード・ドビュッシー (1862-1918)
フランス印象主義音楽を代表する作曲家です。全音音階や教会旋法を取り入れた独自の和声感覚と、絵画的・詩的なイメージを音楽で描く手法により、20世紀音楽に大きな影響を与えました。ピアノ曲では「アラベスク」や「前奏曲集」、「月の光」などが広く愛されています。本サービスには第1・第2アラベスクや前奏曲集第1巻第4曲、「月の光」の4曲を収録しています。
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