説明
「イギリス組曲」第2番イ短調を締めくくる終曲のジーグです。ジーグはイギリスやアイルランドの速い舞曲に由来し、バロックの組曲では最後に置かれる定番の楽章になりました。バッハは組曲のジーグをしばしばフーガ風の模倣で書いており、この曲もその一例です。
イ短調、8分の6拍子。演奏時間は約49秒、音数は785で、時間に対する音の密度が非常に高い曲です。8分の6拍子の弾むリズムに乗って、一方の声部が示した主題を他方が追いかける模倣的な書法で進みます。前半と後半の2部分からなり、後半では前半の主題を上下反転させた形が用いられ、組曲全体を勢いよく締めくくります。
中級レベルですが、速さと音の密度から、組曲の中でも指の機動性が強く求められる楽章です。課題は、8分の6拍子を大きな2拍で感じ、細かい音符の連続の中でも拍の弾みを失わないことです。音域はC2〜C6で、61鍵の鍵盤で弾けます。再生速度をかなり落として主題の受け渡しを手の色分けで追い、A-Bループで短い区間ずつ速度を上げていくと、勢いを保ったまま仕上げられます。
バッハが作曲した6つのイギリス組曲。フランス風の優雅さと技巧的な華やかさを兼ね備えた傑作
「イギリス組曲」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
バッハの作品一覧を見る →