説明
スカルラッティが数多く残した鍵盤ソナタの一つ、K.455ト長調です。生涯の後半をスペインの宮廷で過ごした彼のソナタの多くは単一楽章で、前半と後半をそれぞれ繰り返す二部形式で書かれています。K.455もその流れに属し、宮廷の鍵盤楽器のために書かれた作品群の一つです。
ト長調の2分の2拍子。明るく歌うような旋律線と豊かな和声が魅力で、彼の作品に特徴的な軽快な音の跳躍やスペイン風のリズム感も垣間見えます。演奏時間は約1分50秒とコンパクトながら1274音ほどと音の密度は高く、両手が細かく掛け合いながら前へ進みます。
中級レベルで、音域は61鍵の鍵盤では低音が少し足りず、88鍵か76鍵が向いています。指の回転を要する動きが随所にあり、両手の掛け合いを軽やかに響かせることが演奏の鍵となります。再生速度を落として速いパッセージの指づかいを確かめ、手の色分けで左右の受け渡しを目で追いながら、A-Bループで難所を繰り返すと、粒のそろった軽快な響きに近づけます。
スカルラッティが残した555曲のソナタ。革新的な鍵盤技法と独創的な音楽性で知られる
「鍵盤ソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ドメニコ・スカルラッティ (1685-1757)
イタリア・ナポリに生まれ、後半生をポルトガルとスペインの宮廷で過ごした作曲家です。同じ1685年生まれのバッハ、ヘンデルと並び称される存在で、555曲にのぼる単一楽章の「ソナタ」を残したことで知られています。スペイン舞曲の要素や大胆な跳躍を取り入れた独創的な鍵盤書法が特徴です。本サービスでは、ソナタ K.455やK.491などを収録しています。
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