説明
スカルラッティが1738年にロンドンで出版した「グラヴィチェンバロのための練習曲集」(エセルチツィ)に収められたK.11です。生前に出版された30曲から成るこの曲集は、彼の鍵盤ソナタが広く知られるきっかけとなりました。「練習曲」と名乗りながら、単なる指の訓練にとどまらない音楽性を備えた曲集です。
ハ短調。堂々とした性格を持ち、荘重な和音の運びと技巧的なパッセージが組み合わされています。前半と後半を繰り返す二部形式で、演奏時間は約59秒と短いながらも551音ほどが詰め込まれた、密度の高い作品です。短調の陰りが、華やかな技巧に落ち着いた重みを与えています。
中級レベルで、音域はちょうど61鍵の鍵盤の両端いっぱいに収まります。密度の高い音の動きが続くため、リズムの正確さが求められます。再生速度を落として細かい音型の拍の位置を確かめ、A-Bループで前半と後半を分けて繰り返すと、テンポを上げても崩れにくくなります。手の色分けで両手の役割の受け渡しを確認するのも有効です。
スカルラッティが残した555曲のソナタ。革新的な鍵盤技法と独創的な音楽性で知られる
「鍵盤ソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ドメニコ・スカルラッティ (1685-1757)
イタリア・ナポリに生まれ、後半生をポルトガルとスペインの宮廷で過ごした作曲家です。同じ1685年生まれのバッハ、ヘンデルと並び称される存在で、555曲にのぼる単一楽章の「ソナタ」を残したことで知られています。スペイン舞曲の要素や大胆な跳躍を取り入れた独創的な鍵盤書法が特徴です。本サービスでは、ソナタ K.455やK.491などを収録しています。
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