説明
『クラヴサン奏法の技術』の第3前奏曲です。ここまでの2曲と同じく、演奏法を学ぶ人のために書かれた短い前奏曲で、フレーズごとに異なる装飾の付け方が試みられています。前の2曲と続けて弾くことで、装飾表現の発展をたどることもできます。
ニ短調、4分の6拍子。57秒・305音と前の2曲より音数が増え、和声の重なりもやや複雑になっています。6拍子の大きな拍の流れの上で、演奏者に即興的な自由さと精緻な指の制御の両方を求める、フランス・バロックらしい繊細な書法が特徴です。短調の陰りが、装飾の一つひとつに表情を与えています。
初級レベルですが、音域はG1からG5までの4オクターブに広がります。6拍子を3拍ずつの大きな2つのまとまりで感じるか、細かく数えるかで印象が変わるので、再生速度を落として拍の流れを確かめてみてください。楽譜表示で装飾記号を追いながら聴くと、どの音に飾りが付いているかが分かりやすくなります。
クープランが1716年に出版した鍵盤楽器の演奏法に関する教本。技術指導とともに、即興的な8つの前奏曲も収められている
「クラヴサン奏法」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
フランソワ・クープラン (1668-1733)
フランス・バロック期を代表する作曲家で、音楽一家クープラン家に生まれ「大クープラン」の異名で知られています。ルイ14世に仕えた宮廷音楽家として、優雅で装飾豊かなクラヴサン(チェンバロ)音楽を数多く残しました。教則書「クラヴサン奏法」は当時の演奏習慣を伝える貴重な資料でもあります。本サービスにはその序奏部にあたる4つの前奏曲を収録しています。
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