説明
1835年に出版されたバラード第1番は、ショパンが「バラード」という名をピアノ曲に用いた最初の作品です。この名称は本来、物語を語る詩の形式を指します。同時代の詩人ミツキェヴィチの物語詩との関連がしばしば語られますが、特定の詩に基づくという証拠はありません。ショパン自身は標題を一切残していません。
ト短調。語りかけるような序奏に始まり、ワルツ風の第1主題と、変ホ長調で歌う第2主題が現れます。この二つの主題が回帰と変形を重ね、後半では第2主題が壮麗に再現されます。最後はプレスト・コン・フオーコの終結部が全体を一気に断ち切ります。音域は7オクターブ、音数は5000を超えます。
上級曲の中でも特に大きな作品です。難所は終結部に集中しており、そこまでにどれだけ余力を残せるかが弾き切れるかどうかを決めます。静かな場面を本当に静かに弾くこと、盛り上がりで叩かないこと。テンポを揺らす場所を事前に決めておくと、10分近い長さが構成として聞こえてきます。
ショパンが開拓した新しいジャンル。物語性と叙事詩的なスケールを持つ、ピアノ独奏のための大作
「バラード」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
フレデリック・ショパン (1810-1849)
ポーランドに生まれ、パリを拠点に活躍した作曲家で、ほぼピアノ曲のみを作曲したことで知られる稀有な存在です。祖国への望郷の念をマズルカやポロネーズに込める一方、バラードや練習曲では詩的な旋律と革新的な和声を融合させました。本サービスでは、「革命」をはじめとする練習曲、バラード第1番・第4番、ノクターン、前奏曲集 Op.28などを収録しています。
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