説明
交響曲第5番の第1楽章を、ピアノ1台で弾けるようにまとめた編曲版です。19世紀には録音も放送もなく、交響曲を家庭で知る手段はこうしたピアノ用の編曲でした。出版社が競って編曲を出したのは、それが唯一の「再生装置」だったからです。この楽譜もその系譜に連なる実用的な編曲にあたります。
ハ短調の2拍子。冒頭の4つの音からなる動機が、主題としても伴奏としても、楽章のあらゆる場所に現れます。オーケストラでは楽器を変えて受け渡されるその動機を、ピアノでは音域と音量だけで描き分けることになります。4200を超える音があり、音域は6オクターブに及びます。
上級とされるのは、管弦楽の厚みを2本の手で置き換えるための和音連打とオクターブが続くためです。原曲を知っているほど、どの音が旋律でどの音が伴奏かの判断がつきます。すべてを同じ強さで弾くと音の塊になってしまうので、どの声部を前に出すかを決めてから譜読みを始めるのが有効です。
管弦楽曲やオペラの名旋律をピアノ独奏用に編曲した作品を収録。原曲の魅力をピアノ一台で味わえる
「編曲・トランスクリプション」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
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