説明
「6つのソナチネ」作品36第1番を締めくくる終楽章です。クレメンティはこの曲集を教育用に編み、易しい第1番から順に規模と技術を段階的に上げていく構成にしました。その第1番の最後を飾るのが、この快活なヴィヴァーチェです。
ハ長調、8分の3拍子。中間楽章のヘ長調から主調に戻り、軽く跳ねる拍に乗って一気に駆け抜けます。ロンド風に主題が戻ってくる構成で、8分の3拍子の短い小節が次々に過ぎていくため、実際の音数以上に速く感じられます。1分あまりの中に470を超える音があります。
課題は、速さの中で拍を見失わないことです。8分の3拍子は小節が短く、一拍ずつ数えると流れが細切れになります。2小節をひとまとまりとして感じられるようになると、フレーズが自然につながります。左手の伴奏を軽く保ち、右手の音型が転ばない速さを選ぶこと。この楽章だけを速く弾くより、中間楽章との対比を作るほうが音楽として聞こえます。
ソナタ形式を学ぶための小規模なピアノ作品集。演奏時間が短く、ソナタへの入り口として親しまれている
「ソナチネ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
このコースの目標、同じソナチネの終楽章ヴィヴァーチェ(ハ長調、3/8拍子)。軽快なテンポで音階と分散和音を粒よく弾き、初めての「ソナチネ」を仕上げます。
練習のポイント
- 0.5倍速から始め、音の粒がそろった状態を保てる速さまで少しずつ上げます。
- 3/8拍子は1小節を大きな1拍で感じると、速いテンポでも重くなりません。
- このあとはブルグミュラーのコースへ進むと、より多くの技術を一曲ずつ学べます。
作曲家について
ムツィオ・クレメンティ (1752-1832)
イタリア・ローマに生まれ、若くしてイギリスに渡り、ロンドンを拠点にピアニスト・作曲家・楽器製造業者として活躍しました。「ピアノ奏法の父」とも呼ばれ、教則本「グラドゥス・アド・パルナッスム」やソナチネ集は今日も学習者の定番教材となっています。本サービスでは、「きらきら星」の主題やハイドン・モーツァルトの旋律を用いた教本 Op.42の小品と、ソナチネ Op.36-1の楽章を収録しています。
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